究極の完全犯罪 その23   +勝手な文章

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 元会社の女子社員は辞めると話していたけれど、会社を自分のためだけに利用しようとする人間にとって、将来の会社のことなんて爪の先程も考えていない。それを察知して社員たちは沈む船から逃れようとする船底に棲んでいる鼠のように安全な場所へいち早く逃れようとしているのだ。
 女子社員が鼠だとしたらまだしも、北本はイタチだ。鼬の最後っ屁と言われるように、逃げる前であっても、まだまだ会社を喰いモノにしようとするだろう。そして警察に捕まらないように悪知恵を働かせ、人の命まで奪ってしまう。早くやっつけなければ。
 トレビを出て、途中で洋一に電話をかけ、疾風の動を確認した。
「ハヤテの頭は北本みたいだよ。副事務長が殺されたけれど、なぜだか資金量が豊富で、動きがより活発になっていますよ。ここ二、三日で村へもハヤテが来ます」
「洋子君は大丈夫か?」
「小夜子さんがどこかへ行くように指示したので、今朝早く出て行ったよ」
 洋一は妹のことは心配していないようだ。疾風が村へやってきても、村人は全員だんまりのはずだ。以前、暴走族らしき集団がやってきたことがあり、その時に洋一やその仲間が追い払ってから爺ちゃんたちに認められ、農作業のボランティアになったらしい。
 小夜子が疾風の動きを今でも調べてくれている。今は疾風に知られていなくても、いつ見つかるか不安だ。早くケリをつけなければならない。これからサトさんの店へ行こう。小夜子のことも聞きたい。
「いらっしゃい。生でいいですか」
 サトさんは、お絞りを渡してから俺に確認を求めた。俺は頷いた。すぐに冷たい雫のついた生ビールとゴリ押しの小鉢が俺の前に置かれた。余計なことは喋らない。先客が一番奥でチビチビ酒を飲んでいる。
「今日は良い天気でしたね。こんな日だと腰の痛みも少ないんですけど、明日はどうかしら。晴れれば良いんですけど」
 サトさんは俺の目を見て、その後ちょっと首を先客の方に向けて天気の話をした。何かある。あの客のことだろうか。
「土手焼き、ありますか」
「今日はないのよ。マグロのステーキ美味しいですよ」
「お願いします」
 もう一杯生ビールを注文した。
 奥の客は疾風か北本に関係のある奴だ。サトさんと前に決めた符丁が役に立った。
 マグロのステーキと言っても、安いビンチョウマグロの頭の肉をきれいに削いで焼いたものだ。これを平らげて「ご馳走様、また寄せてもらうよ」と言って店を出た。
 階段をゆっくり下り、通りに出た。そして次の小さな交差点で右へ曲がり、裏道を全速力で走った。店の角にいた客が疾風の仲間だとしたら一人で見張っているはずがない。もう一人必ず別の所にいるはずだから、一ブロック、辺りの様子を見た。この街には場違いな黒の大きな車と、後部座席が頭を隠すくらいに伸びたいわゆる暴走族の単車が停めてあった。もちろん迷惑駐車だが。
 俺はその単車がチビチビ飲んでいた客のだと思った。
 10分くらい経ったとき、あの客と以前見たことがあるような男が一緒に歩いてきて、車と単車に乗り込んだ。車が去っても俺は動かなかった。ここですぐに動くほどお人好しじゃない。塚田と副事務長、それに食堂の恭子さんまで殺害した北本だ。石橋を叩いて壊れないと思っていても、どこかで爆弾のスイッチを入れるのが北本なのだ。
 30分経ってからサトさんの店に戻った。客は無かった。
「よく分ったね」
「入ってきた時にすぐに吉田さんだと思ったよ。あなたの右耳の小さな黒子でね。田舎へ帰る前には随分逞しくなっていたけど、今日はそれ以上だね。しなやかになってるって感じ。やっぱ農業は健康に良いんだ」
「さすがですね。それで、どうしてあの客が疾風と関係していることが分ったの?」
「単車の音が聞こえてから、入ってくるの。あの副事務長が殺された次の日からだよ。そしてうちの常連さんがくる六時半ころには絶対に帰るんだから。わかる?」
 サトさんは笑いながら尋ねた。俺には見当がつかない。考えていると、ガラガラと音がして中年男が二人入ってきた。何も注文しない。サトさんが勝手に生ビールの小とあてを出す。すぐにのみ終えた二人はキープの焼酎を勝手に注いで飲み出した。ボトルには丸の中に家と書いてある。あ、分かった。この二人は近くの家庭裁判所の関係者だ。


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日本の政治も腐りかけている

アベさんが病気で首相を退くと言ったとたん、
議員たちは右往左往。
党員投票を実施しないで、派閥の力で、菅官房長官が新総裁になりそうで、
それは同時に新首相に。
大阪都構想に反対の立場を表明した大阪自民党府連、
二階幹事長に報告したら、勝たねばならない と言ったのに、
菅幹事長を推すとは。菅は維新と蜜月状態。
これで大阪市の解体は濃厚となった。
いろいろワイドショーでは野党の不甲斐無さを指摘するが、
野党を不甲斐無くさせている一因は権力に迎合する出演者たちであり、
テレビ局であることを棚に上げている。
これじゃ国が良くなるはずがない。
コロナ感染者がこのところ減少傾向にあるけど、
それは吉村や小池知事が言うからではなく、みんなが気を付けているだけのことである。
冬が近づくころに、また感染者が増えてくるかも知れない。

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