ク マ  その4  + クルーズ船で思うこと

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 クマのことが終わり早く家に帰ろうと坂を上っていると、上からウーッという唸り声が聞こえてきた。犬が三匹、歯を剥き出しにしてこっちを睨んでいる。そのうちの一匹はクマよりも一まわり、いや二まわりくらいでかい奴だ。
 最初に熊と勘違いしたクマの毛色は、どちらかというと焦げ茶と黒の毛が混ざっているみたいだったが、このでっかい野良犬は、暗いからかも知れないが真っ黒で、本物の熊と見まがうくらいだ。
 クマは震えて何もしないでこっちを見ていただけだった。こいつからは闘争心剥き出しの獰猛さがひしひしと伝わって来る。このままじゃ確実に襲いかかってくるだろう。どうすりゃいい? 辺りを見回したが、ここの坂道は舗装されているのでつぶてとなる石もない。武器となるものがないなら逃げるべきだが、逃げたら必ず追いかけて来る。速さでは絶対に犬の方が勝ちだ。ヘトヘトになったところでガブリとやられれば小さな怪我だけでは済みそうにもない。そんな嫌な確信があった。
 頭をフル回転させて防御方法を考えた。あった。武器となるものがあった。ウエストバッグだ。中のペットボトルには水が十分入ってるし、腰にそってカーブしているバッグの内側は硬質プラスチックだ。これを振り回して遠心力をつけて当てたら、相当なダメージになるはずだ。よしこれでいこう。小さい二匹はどうってことない。蹴飛ばせば尻尾を巻いて逃げ出すだろう。
 ウエストバッグを外してベルトの端を持ったとき、横を何かが駆け抜けた。

 オッサンが戦闘態勢に入ったことが分かりました。でもあんなバッグを振り回してもボスに勝つことなんてできません。保健所の職員が捕まえに来た時、ボスは首に嵌まった針金を噛み切ったのです。私は全力でボスに飛びかかることにしました。オッサンのウエストバッグからはスルメの匂いが漂っているので、ボスがそれに気をとられている隙に攻撃するのが一番だと考えたからです。
 私は一撃必殺を狙いました。三回戦って三度とも負けていますが、無駄に対決をしていたわけではありません。緒から負けるのが分かって喧嘩をする犬はいません。ボスの弱点を探っていたのです。
 ボスの正面へ飛びかかると見せかけて私は行き過ぎ、長い尻尾に咬みつきました。必死に私を捕まえようとするボスですが、それはできない相談です。よくあるでしょ、痒いのかどうか知りませんが、尻尾にいる蚤かなにかを取ろうとしてグルグル回っている犬を見かけたことが。それと同じです。いくら自分の尻尾を捕まえたくても振り向けば尻尾は反対方向に逃げてしまいます。
 何十周まわったことでしょうか。私は絶対に離しませんでした。ボスは痛さと疲れで回るのをやめて、言いました。
「俺の負けだ」
 ボスは降参しました。私はこれからは人間を見たら隠れるようにと言いました。そして他の犬を襲わないでほしいと頼みました。ボスは荒くれ犬ですが、自分達が危険にさらされることを良しとはしません。一匹だけ生きていても、誰からも相手にされなければどれほど辛いことか分かっているのです。
 人を傷つけなくても野良犬は駆除されてしまう世の中です。なるべく目立たぬように生きて行かねばならない宿命を背負った私達なのですから。


クルーズ船で思うこと

船旅は優雅なものだと思っていたら、新型コロナウィルスにより、
大変なことになってしまいました。
船内で伝染する病気が発症すれば、下船することもできないなんて、
まるで監獄と同じで.はありませんか。今回の横浜港の船では、すべての旅行費用を返却するようですが、
この事件により、今後船旅をする人は極端に減少するでしょう。
と、同時に観光というものをもう一度考える機会を与えてくれたように思うのです。
観光立国を目指し、今年は4000万人の訪日を目論んでいた政府でありますが、
結局のところは3000万人も危うい状態です。
オーバーツーリズムで、地域住民に迷惑をかける人たち。
訪れる人も接客する側のどちらも、もう一杯一杯なのに、
利益ばかりを追い求めたら、やがてみんなからそっぽを向かれることになっても仕方ないことです。
京都嵐山では、渡月橋を渡る観光客が絶えることがなかったのに、
先週は、がらすきでした。お土産物屋さんも困った表情でしたが、
これが本来の姿であることを自覚して、営業方針を見直す良い機会だと捉えるべきです。
日韓問題で、韓国からの旅行者が来なくなり、こんどは習近平の一言で、
海外団体旅行中止。
本当に日本が好きな外国の人達が笑顔で旅行できる日本であってほしいです。

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