隠し神 第3部 No.15

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 こんなことを考えて変な物を見ていると変な物の形が徐々に変化してきた。ウン?人の形になって大きくなってきたぞ。俺はちょっと恐くなってきた。俺の考えていることがわかって変化しているみたいだ。
 危険を感じた。俺は空へ全速力で飛び上がった。下をみた。巨人が手を伸ばして俺の足を捕まえようとしているところだ。俺はさらに上へ上がった。巨人はさらに大きくなったみたいだ。こっちは上空100メートルくらいで停止しているのに、もうちょっとで捕まりそうだ。
「ダメ男、一人じゃ何も出来ぬではないか。そーら、捕まえるぞ」
 ヘルヘイトは俺をいたぶろうとしているようだ。元締の加勢がないことを知ってのことだ。この前の復讐なのだろうか。
 巨人は手を伸ばして捕まえようとする。捕まったら大変だ。今度は水平線を目指して全速力で移動した。巨人の腕が伸びて迫ってくる。捕まりそうになる。もう奇ッ怪島から何キロメートルも離れたに違いない。さすがに巨人は追いつくことができなかったのか、振り返っても姿はなかった。今は変な物、いやヘルヘイトと戦うなんてことはできない。早くこの海域から離れることが先決だ。

「どのようにして帰ってきたんだ。イデレブラたちと一緒にいたはずなのに。ウリボーが話していたとおりだけど、なんだかおかしいよ」
 俺は洋子に不満をぶつけていた。
 南の海から鹿児島までヘトヘトになりながら飛び続け、桜島の煙りで咽せて空中浮遊の移動を諦めた。暫く休憩したあと瞬間移動ができるか試してみた。「自宅へ」と大きな声で言った。すると瞬時にあのタマムシによって焼かれ、そのあと建てた前よりも小さな可愛い我が家の居間のにいるのだった。
 洋子はお笑い番組を見ながら笑い転げていた。それで俺は腹が立ちヘソを曲げ、きつい声が出たということだ。
 俺に気づいた洋子は「お帰りなさい。ウリボーはご機嫌だったようね。お爺ちゃん達はいつ帰ってくるの。明日からどんな仕事をしようか」と矢継ぎ早に喋るのだった。
「どのようにして帰ってきたんだ」
 もう一度大きな声で言った。
「喜界島に着く前にお爺ちゃんが送り届けてくれたの。あなたの役目は一人ですることだから、私は応援するだけなんだって」
「けれどもウリボーとジャンケンをしていたじゃないか」
「あれはね、私の虚像みたいなものよ。アバターって感じね。お爺ちゃんがあなたに頑張ってもらえるように考えたことなのよ」
 全く普段のことのように洋子は話す。俺が怖い目にあってもいつも大丈夫だと思っているのか。いや心配もしているはずだが、イデレブラや麗奈さんに絶大なる信頼を持っているためだろうか。
 けれども今回の変な物退治はその神様達がウリボーの体内に避難している形になっているのだから、以前のようになるとは思ってないはずだ。それでものほほんとしていられるには、洋子なりの信念があるのか、ずっと先に起こることが分かっていて、それは安全なものだから、余裕をかましているのかも。
「失礼ね、あなた。余裕なんかかましてないわよ。あなたと離れているといつも心配してるんだけど、そんなに心配しないほうがいいよ、って麗奈さんに言われたの」
 なんだか洋子の能力がアップしてきていることだけは確かだ。俺の思考を理解するのが早くなっている。
「なにブツブツ言ってるの。変な物の除去期限が迫ってるのよ。家でのんびりしている余裕はないの」
「除去期限のことなんか、初めて聞くことだよ。誰がそんなことを話してたんだい」
「ウリボーだよ。あと二日で変な物を消滅できなきゃ、ウリボーが死んじゃうんだよ。ヘルヘイトの残滓がウリボーの寿命を縮めているのよ。早く戻ってやっつけなきゃ」
「変な物が巨大な人間の形になって俺を追いかけてきたから帰って来たんだ。このままじゃどうしたらいいか分からない。今は誰もアドバイスしてくれる神様も居ないんだから」
 格好悪いが、俺は洋子に本当のことを話した。話さなくても知っていると思うけれど、あと二日でウリボーが死ぬなんて、本人は一言も話さなかった。ウリボーは俺が変な物をすぐに消滅させると思っていたのだ。まさか自宅に帰ってるなんて考えもしていないだろう。
「あなた、アドバイスしてくれる人はちゃんといるのよ。もうすぐ紘子がここへ来ることになっているの。アドバイスを聞いたらすぐにウリボーのいる南の海へ行って変な物をやっつけてちょうだい」

※※※

埴輪の写真が中心に来ないのでバックを大きくしました。

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